◆一通のメール◆
2002年10月28日、僕はベトナムのハノイへ出発しました。3泊4日ととても短い日程でした。僕がベトナムに行くきっかけになったのは、2001年6月、タイのチェンマイで知り合ったあっこさんからの一通のメールでした。彼女からのメールにはこう書いてありました。
「12月にベトナムに入り、縁あってまだベトナムに居ます。ベトナムに嵌ってしまいました。偶然にもベトナム在住の同郷の知り合いに会い、新会社設立のお手伝いをすることになりました。」
彼女は2001年11月に再びタイへ出発し、ラオス、ベトナムと東南アジアを放浪していました。僕はタイ旅行以来、東南アジア諸国にとても興味を持っていたので、彼女を頼りにベトナム行きを決めました。
◆ベトナムの食べ物◆
皆さんはベトナムと言って何を連想しますか?べトナム戦争、ベトナム料理、アオザイ、それから最近、CMで取り上げられ有名になったフォーぐらいでしょうか?
フォーはハノイが名産で、「是非食べてみたら?」と勧められて食べてみたんですが、これがうまい!!チリソースやレモンをかけて食べるんですが、ピリ辛でとてもあっさりしています。このチリソースめちゃめちゃ辛いので、かけすぎたら食べれなくなります。それから、トッピングとして海老煎のようなものがあるんですが、これがまたフォーとあうんだな~
それから、ベトナムと言えば生春巻きが有名ですよね?生春巻きはハノイではなくホーチミンが有名なので、こっちではあまり食べないらしいです。ベトナムに行ったら絶対に生春巻きを食べるぞと決めていたのでかなり残念でした(TT)
ハノイでは生春巻きではなく主に揚げ春巻きを食べます。この揚げ春巻きがすごく美味い!!味は日本の春巻きと似ています。
それから、ベトナムでは孵化寸前の鶏の卵を食べます。これはゲテものではなく、普通に市場に売られてます。普通の卵より高価なんです。日本ではまず経験できないし、いい機会なので挑戦してみました。 孵化しかけのひよこの胎児の姿は・・・やはりグロイです。グロすぎです。
口に運ぶのをためらってしまいましたが、それでも、おそるおそる口に運び食べてみたら、「あれ?これ意外にうまいじゃん!」普通に卵と鶏肉の味なんですよね。そのまんまなんですよ(笑)ちなみに、これの名前は「ホビロン」。アニメのキャラクターみたいなかわいらしい名前ですね(笑)
それから、ベトナムでは暦で特別な日に、犬を食べる習慣があるらしいんですよ。孵化した卵を食べたんで、もうこうなったら犬でも何でもきやがれと思い、「犬肉食べてみたいっす!」と言ったんですが、あっこさんから「マトン食べれる?」と聞かれ、「ん~、マトンはちょっと無理っすね、、、」と答えたら、「じゃーやめといた方がいいよ」とあっさりダメ出しされてしまいました(苦笑)
犬肉はそうとう臭いらしいです。臭さはマトンの比じゃないみたい。少なくともマトンが食べられる人でなければ犬肉は食べられないとのことです。
◆アオザイについて◆
話変わりますけど、皆さんアオザイって知ってますか?ベトナムと言えばアオザイ。そんなイメージないでしょうか?チャイナドレスのようなセクシーな衣装。ベトナムでは、アオザイを着た綺麗なお姉さんが街中を歩いてるんだろ~な、と思ってた僕。どうやら現実はまったく違っていました・・・。
通り過ぎる女性の中にアオザイを着ている人がいない。1人もいない。みんな普通にTシャツを着てる。「お!アオザイ着ためっちゃ綺麗な2人組が居るぞ!」と思ったら、どうやらその2人組の綺麗な女性は、全国各地で行われている様々な催しで歌を歌っているプロの歌い手さんという事でした。どうりで何か雰囲気が違うな~と思ったよ。一応、記念(?)にそのアオザイを着た2人の綺麗なお姉さんと写真撮りました(笑)
僕はあっこさんに「アオザイは晴れ着だから普段着ないんだよ(爆笑)」と大笑いされてしまいました。アオザイって、日本においての着物のようなもんなんだってさ。
◆ベトナムの生活◆
僕はこの3泊4日の間、あっこさんの働いている旅行会社に宿泊させてもらいました。社長は沖縄出身の白髪の叔父さんで、無口だけどすごく優しい人でした。社長は勤めていた会社に疑問を感じ、脱サラしてベトナムで事業を興したと言っていました。毎日必ず5時には起きて、会社に送られてくるメールをチェックするすごくまじめな人。取引相手は日本なので、日本との時差を考えて行動してるんだって。
住み込みの家政婦さんがいるのには驚きました。しかも、二人も居て二人とも10代。何かカルチャーショックを受けてしまいました。二人とも田舎から出てきた子で、生活が大変なんだろ~な~と思ってしまいました。因みに、給料はお小遣い程度しかもらってないそうです。
2人とも朝早くから起きて一生懸命働いていました。その姿を見て、偉いな~と感心してしまいました。それから彼女達、日本語うますぎ!学校行かなくても語学は習得できるんだな~と彼女達を見てて、実感させられました。
それから日本語学校の教師であり日本人のアキバさん。彼はベトナムに永住するつもりだと話ていました。日本でベトナム語の教師をするつもりはさらさらないそうで、例え給料低くても、ベトナムで日本語を教える事にやりがいを感じていると言っていました。日本の語学学校の一教師として、会社の歯車になるのが嫌なんだって。「小さな学校でも自分を本当に必要としてくれる生徒に勉強を教えたい」と語ってくれました。彼は家庭教師もやっているらしく、雨の日、バイクで小1時間もかかる生徒の家まで家庭教師に行ってました。すばらしいね。頑張って欲しいです。
それから社長の友人の娘さんのミッキーさん。とても華奢な彼女。始めて会って、挨拶を交わした時、てっきりベトナムの娘だと勘違いしてしまいました(^^:)「あの子日本語うまいっすよね~」とあっこさんに言ったら、当然のごとく爆笑されました。
社長をはじめ、アキバさん、ミッキーさん、家政婦の子達、会社の従業員とその奥さん。みんな楽しい人達で、彼らは毎晩集まり深夜までトランプで遊んでいます。日曜は朝から晩までずっとトランプで遊んでます。ホントよく飽きないよなぁ~この人たち・・・
まあ近くに遊び場が無いって事もあるんだろうけど。ちなみに、あっこさんの要望で僕は日本からおみやげでトランプを持ってきました。ここら辺では紙トランプしか売ってないみたいで、すぐに駄目になっちゃうんですって。そりゃーあんた、毎晩やってればすぐに駄目にもなるよ(笑)
彼らは賭けをやっているんですけども、10円20円の世界。買った負けたで、みんな一喜一憂してます。アットホームで(・∀・)イイ!!
◆ホーチミン廊◆
翌朝、ガイドさんのトウアンさんとあっこさんと3人で市内に出かけました。まず、ベトナム建国の父ホーチミン主席の遺体が安置されてるホーチミン廟に行く事にしました。ホーチミン廊の前の広場には、「何事か?」と思うほど長~い行列ができいました。どうやら、たまたま今日がホーチミン廟が完成した記念日であったため、この異常なほどの混雑ぶりが起きてしまったようです。朝日が照りつける中、待つこと1時間弱、やっと中に入る事ができました(汗)。
中には微動だにしない衛兵が数人おり、その衛兵に守られるように中央にホーチミン主席の遺体がガラスケースに安置されていた。何やらこのホーチミン主席の遺体の記述には、「剥製」って書いてあるらしいんだけど、、、大体人間の剥製ってありえないでしょ(笑)。廟の中に入る場合、半ズボン、ノースリーブ、サングラスを掛けてる人は入場できない。中では私語や途中で立ち止まったりするのは禁止。写真撮影はもってのほかと、かなり厳重体制でした。
◆一柱寺◆
それから、ホーチミン廟のすぐ隣にある一柱寺を見に行きました。11世紀、李朝時代に建立された仏教寺院で蓮の花を模して建てられたと言われている寺。
まず、このお寺見てびっくり。え?何がって?柱1本なんですよ!柱1本!柱1本の上に本堂が乗っかってるんですよ!あまりにもユニークな形してたので、なんか惹きつけられてしまいました。ほんとすごいバランス感覚です、このお寺(笑)
夏には水面一杯に蓮の花が咲き乱れるらしいです。さぞ綺麗なんでしょうね。
◆ホアンキエム湖◆
次は、ハノイの名所でもある「ホアンキエム湖」を見に行く事にしました。この「ホアンキエム湖」はハノイ市街の中心に位置し、ハノイの人々にとって憩いの場となっている緑豊かな湖です。この雄大な湖をぼーっと眺めていたら、次第に心が癒れてきました。異国にいても、やはり自然を眺めていると落ち着くもんですね。都心にもこのように湖などの自然があるといいものだよな~としみじみ感じました。
ここ「ホアンキエム湖」には、有名な伝説が語り継がれていて、それをトウアンさんが上手な日本語で説明してくれました。その伝説とは、『黎朝の始祖である黎利(レ・ロイ)が、湖に棲む大亀から授かった宝剣で明軍を退け、ベトナムを中国の支配から解放した。その後、その宝剣は大亀に奉還された。』というもの。
そして現在、湖の南に小さな亀の塔が建っており、その場所が黎利が宝剣を大亀に奉還したと言い伝えられている所なのです。こうした伝説から、湖は「ホアンキエム」(『還剣』の意)と呼ばれるようになりました。
◆旧市街◆
次に、ホアンキエム湖の北に位置する旧市街に出かけました。ここは細い通りが入り組み、雑貨や衣類、みやげ物屋、食べ物屋、そして市場などが所狭しと建ち並んでいる活気のある街です。そこで、水煙草、ベトコン帽子、ギター、つげ傘などを買いました。
旧市街はとても賑やかで、目移りしてしまうほど色んな物が売っていました。ベトナムもタイと同様、交渉次第で安くなります。交渉もあまりしつこいと日本ではあからさまに嫌な顔されますが、海外で買い物する時は、ずうずうしい位が丁度いいと思います。香辛料や乾物、雑貨や民族衣装、民芸品、楽器、本屋、CD屋、食べ物屋、そして行商人が売っている果物などなど。時間があればもっと色々な所を見て回りたかったです。
◆バチャン村◆
3日目は、ガイドさんとあっこさんとミッキーさんの3人で、世界的に有名な陶器を造っているバチャン村にいきました。バチャン陶器は世界各国に輸出しているともて有名な陶器です。陶器屋が建ち並び、人口約2000人のうち9割近くが陶器造りに携わっているというまさに陶器一色の村。
僕はあっこさんの知り合いの店で陶器を買いました。湯のみセットを安くしてもらい、日本円にして1500円で買いました。日本で買うと、なんと1万円以上はするそうです!何かすごい得した気分です。いい買い物ができました。
その後、その店の社長のはからいで陶器造りの工場を見学に行くことになりました。見学してびっくり、作業には沢山の人が関わっており、そこには小学生低学年ぐらいの少女達が大勢働いていました。この子達は学校も行かずに働いているんだろーな・・・・。この子達の働いている姿を見て、ちゃんと学校も行きこうして旅行までしている自分の裕福さを改めて実感し、複雑な心境になってしまいました。ある子は陶器の型を作っていたり、ある子は陶器の模様を書いていたり、ある子は陶器を焼いていたり、と様々な作業をしており、この子たちの実に淡々と仕事ぶりは正に職人そのもので、声をかけるのもためらわれるほどでした。普通の旅行客は絶対に見れない陶器造りの裏側を見ることができ、とてもラッキーでした。
◆旅を終えて◆
3泊4日というとても短い期間であったけれども、ベトナムという国が少し分ったような気がしました。ほんの表面を触れただけかもしれませんが、とても有意義な旅行であったと思っています。次回ベトナムに行った時には、僕のまだ知らないベトナムを発見しようと思います。