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タイ旅行記-改訂版-
1泊2日のトレッキングツアー

トレッキング当日、僕たちは、朝9時過ぎにゲストハウスを出発した。同行メンバーは、オーストラリアからのピチピチ女子学生5人グループと長身の禿げたドイツ人中年男性が1人。オーストラリア女子学生軍団の中に、ナオミキャンベルにちょい似のスタイル抜群でめちゃくちゃかわいい黒人の女の子がいた。うほっ~みんなピチピチしててめちゃかわいいし、特にナオミ似の彼女なんてめっちゃくちゃスタイルいいじゃん!女子学生グループと一緒になるなんて運がいいぜ!!こりゃー楽しいトレッキングになりそうだ。

僕ら9人は、ピックアップカーに乗り込みゲストハウスを出発した。約1時間程走ったところにあった商店で、肩からぶら下げられる水筒、飲料、雨具、タバコ、食べ物など必要な物を買った。そして、そこからまたピックアップカーに揺られること約一時間、僕らは、タイで一番高い山「ドイ・インターノン山」の山中にある雄大な『ワッチラタン滝』に着いた。
 
『ワッチラタン滝』は、山の静寂を切り裂くようなすさまじい轟音を響かせている。まるで『華厳の滝』のようだった。私は、その滝の音を聞きながらゆっくりと目を閉じてみた。目を閉じてみると滝の音以外にも、風の音、木々のざわめき、小鳥のさえずり、川の流れる音が聞こえ、また、草木の青臭い匂い、爽やかな風の匂い、土の匂いを感じた。心が洗われ、実に清々しい気分。都会に住んでいるせいで、今まで自然に触れる機会があまりにも少なかったなぁとしみじみ思った。


僕らは、『ワッチラタン滝』で昼食をとり、その後メオ族の住んでいる村へ向かった。民族衣装をまとったメオ族の村には、未舗装の道路にずらりと土産物屋が並んでいた。メオ族は、端からじ~と僕らの行動を観察していた。ツアーで訪れる旅行客が来るとはいえ、やはり外部者には慣れないのかもしれない。

そこから徒歩で、今度はカレン族の村に向かった。途中小学校があったので、ちょっとお邪魔させてもらった。勝手に入ってしまったのだが、先生は笑顔で向い入れてくれた。子供たちは、僕らを見るや否や「キャーキャー」とはしゃぎ回って喜んでいた。子供たちが逃げるものだから、自然と鬼ごっこ状態。子供たちはみんな素足で、泥んこになりながらサッカーしたり、鉄棒したり、カケッコしたりして遊んでいた。僕は、そんな子供たちを眺めながら、「タイの子供たちって、無邪気でホントにかわいいなぁー」と思った。

僕らは、ハードな山道を約2時間ほど歩いて、やっと「エレファントキャンプ」場のあるカレン族の村へ到着した。カレン族の村と言っても、集落どころか、周りには民家すら見当たらない。僕らが泊まる「エレファントキャンプ」場は、かなり山奥に位置しており、集落からは大分離れているらしい。周りにある物といえば、手付かずの自然だけ。この大自然に囲まれた「エレファントキャンプ」場で宿泊する。宿は年期の入ったバンガロー。バンガローの前には、大きな手作りの木造テーブルが無造作に取り付けられていた。


エレファントキャンプ場に着いた僕らは、まず汚れを洗い流すために、風呂に入ることにした。風呂と言っても、もちろん日本で言う風呂なんてあるはずが無い。近くにある小さな滝に行き、そこで体を洗うのだ。僕は素っ裸になり一人滝に打たれながら体を洗った。実に爽快!ピチピチのオーストラリアの女子学生たちが水着姿で「ワタシタチモ、イッショニ、タキノミズアビテ、イイデスカー?」なんて言ってこないかな~と馬鹿な事を考えてました僕(笑)あ、けど俺フルチンじゃん!前が大っきくなってきちゃったら・・・うわっ、めっちゃ恥ずかしいじゃん(笑)まあそんなこんなで、大自然のど真ん中で滝に打たれながら体を洗うという実に爽快な体験を致しました。ちなみにオーストラリアからの女子学生たちは、風呂には入らなかったらしい。な~んだ、ちっ。

夕食は、ゲストハウスから同行したインストラクターが作ってくれた。インストラクター陣は2人。一人は、日本語がうまく話上手なワッサンさん。もう一人は、ジャニーズ風でかっこよく、そしておちゃめな青年エーさん。彼らは、途中で買い集めた食材でコックさんの様に手際よく料理を作っていく。食事は、炒め物にスープにご飯と、家庭的な料理で豪華と言える食事ではなかったが、どれもおいしく十分満足できる物だった。しかし、オーストラリア勢はあまり口に合わないらしく、食が進んでいない。パン食の人間に質素でアジアンな料理は口に合わないのだろうか、なんて思いながらも、僕とアッコさんは出せれた食事をモリモリ食べていた。食後みんなで、ビールを飲みながら談笑した。辺りが暗くなり始めたところで、キャンプファイヤーをやった。辺りが段々と暗くなる中、空に向ってメラメラ燃える上がるでっかい炎を見つめながら、「キャンプファイヤーなんて何年ぶりだろーか、高校生以来じゃないかなー、随分久しぶりだよなー」と懐かしい思い出に耽っていた。そして、その燃え盛る炎をバックに、ワッサンさんがトレッキングでの面白話などを聞かせてくれた。


翌朝、僕らは9時過ぎに起き、顔を洗ったり歯を磨いたりと各自身支度を整える。そうこうしていると、遠くの方から何やらざわめくような物音が聞こえてきた。そして「ウォオオオオオン、ウォオオオオオン」という鳴き声が聞こえてきた。「おぉおおおーきたぁーーー」遠くのほうから像がノッソノッソと姿を現した。象は全部で4頭。その内、1頭は子供の象だ。3頭の中に親がいると象を連れてきたカレン族の青年が言っていた。僕らは3つのグループに分かれ、割り当てられた象に乗った。一人は象の首に、後の2人は背中括り付けられた木製の椅子に乗る。僕は、像の首に跨り、アッコさんとミーは像の背中に乗った。象は、大股でノッシノッシと歩くので、体が左右に大きく振れる。その度に体がずれ落ちそうになるのだが、なんとかバランスを取りながら必死に堪える。それの繰り返し。左右の揺れに加えて、デコボコな斜面に差し掛かると上下の揺れもプラスされる。なので、バランスをうまくとれない人は、像に振り落とされてしまう。「ずれ落っこちて、象に踏まれでもしたらヤバイんじゃないの?」と思う人もいるかもしれないが、象使いの名手カレン族が脇に付いていてくれるので、踏み潰されるような心配は無い。像に跨っていると、ジャングルの王様になった気分になる。不思議と気が大きくなり、倒せるものならどこからでもかかって来い!なんて思ってしまう。


ハラハラドキドキのエレファントライドが終った後、1泊2日組みの僕とミーは他のみんなと別れる事になった。「あーぁ、オーストラリアの学生さん達ともお別れかー寂しいのぅ、もっともっとしゃべりたかったなぁー」中学生程度の英語しかしゃべれない僕は、改めて自分の語学力の無さを痛感し後悔するのだった。あっこさんとは、メールを交換しバンコクで会えたら会おうと言う約束をして別れた。それから、禿げたドイツ人のおじさん。一人でポツンとしていた時なんかはとっても気の毒な感じがしたけど、あなたは穏やかでとても優しい人でしたね。もっと色んな話ができたらよかったんだけどなー。

僕とミーは、ワッサンさんに連れられ、山を一つ越えた所にある川下りの場所へと向った。この山越えが実に辛かった。険しい山道をゆうに2時間は歩いた。ヘトヘトになりながら、やっと船着き場へ到着。そこから竹でできた筏に乗った。筏同士競争し合ったり、激流で筏がひっくり返りそうになったりと約一時間程のスリル満点の川下りを楽しんだ。終わって見れば、ズボンの尻の辺りはビショ濡れ、言うまでもなく靴はビショビショ。その後、僕ら2人はワッサンさんと別れ、エーさんに帯同していたドライバーの車に乗り、ゲストハウスに戻った。


翌朝、僕とミーは、メーホンソンへ出発した。
# by hidem819 | 2004-10-23 21:42 | タイ旅行記-改訂版-

タイ旅行記-改訂版-
パダウン族

朝早く宿を出発し、僕とミーは『チェンマイ』の北西に位置する『メンホーソン』へ向かった。ミャンマーに隣接し、山の中に開けた小さな町『メンホーソン』。標高が高いため、朝霧がたちこめ町を覆う幻想的な風景の町。かつては隔絶された町であったが、最近ではトレッキング目当てに旅行者が増え続けているという。

『チェンマイ』からは、北回りと南回りの2つのルートがある。僕たちは、南回りのルートを選んだ。途中5回ほどトイレ、食事休憩を挟みながら、約8時間後やっとメンホーソンに到着した。このバスもやっぱり冷房が効き過ぎで異常に寒かった。タイのバスって何でいっつもこうなんだろうか・・・。

到着後、僕らは『チャンマイ』でお世話になったこずえさんから予め紹介されいた宿へ向かった。歩いて5分ぐらいの所だったので宿はすぐ見つかったのだが、到着したのが夜中の4時半頃だっため宿は真っ暗。ドアを叩いても誰も出てくる様子が無い。迷惑だと知りつつ何度もドアを叩いてみたところ、奥の方からガサガサと音がしてパッと電気が点いた。そして1人のおじさんが眠たそうに目を擦りながら出てきた。

「すいません、夜分遅く申し訳ないのですが・・」と、思わず日本語が出てしまったが、通じるわけも無く、事情は全てミーに話してもらった。こずえさんから話は通っていたのか、真夜中に突然の来客に叩き起こされても、おっさんは特に不機嫌な様子は無かった。むしろ快く歓迎してくれてる様に見えた。

おじさんは布団に戻らず僕らの話を聞いてくれたので、3人で明日のスケジュールについて話う事にした。僕が『メーホンソン』に来た理由は1つ。『パダウン族』をこの目で見てみたいと言う事、それだけだ。『パダウン族』、彼らは通称『首長族』として知られている。『メンホーソン』近郊には、『パダウン族』が住む村が3ヵ所ある。おじさんの勧めにより、市街の南西にある『フエソイタオ村』に行くことに決めた。『フエソイタオ村』は、3ヵ所ある村の中で一番道が悪く行きずらい村であるからか、まだ観光地化が他の2ヶ所ほど進んでないと言っていた。僕らは、『パダウン族』の村を見に行く日帰りツアーに申し込んだ。が不運にも、今は他の旅行者がまったくいなくて、料金が割高になってしまった。いつ来るか分からない観光客を待っている時間的余裕も無く、早く彼らに会いたかったので、僕らは2人で行く事に決めた。


翌朝10時頃、おじさんのピックアップカーに乗り、僕らは『パダウン族』の住んでいる村へ向かった。徐々に山の中に入る従って道がスゴイ事になってくる。平気でタイヤがスッポリ沈むぐらいの深い水溜りを通ったり、車が横転しそうなぐらいのデコボコ道を通ったり・・・。正に『道なき道を行く』とはこう言う事なんだろーな、なんて思いながら、車から振り落とされないように必死に車にしがみついていた。

約2時間ぐらいでやっと村に着いた。まず、入り口で入場料を取られた。その辺は観光地のシステム。しっかりしている。この村で暮らしている『パダウン族』にとって、どうやらこの入場料が大きな収入源らしい。

僕とミーはおじさんの案内で村の中に入って行く。村には露天商がたくさんあり、『パダウン族』が、手織りの民芸品やアクセサリーなどの小物雑貨、ポストカードなどをを売っていた。初めて間近で見る『パダウン族』は、やはり凄いインパクトを発してた。

「うわっ、首長っ、、、」

『パダウン族』は異様に首が長く、顔がちっちゃい。それから首に真鍮の輪をたくさんはめているせいで肩が落ちている。加えて、飯ちゃんと食べてるのか?と心配してしまうほどみんな華奢。始め彼らと会った時は、彼らに対して身構えてしまったが、彼らと接している内に気兼ねなくしゃべれるようになってきた。彼らは心優しくとてもシャイな民族だ。

タイ旅行記-改訂版-_b0047028_22255336.jpgおじさんは、『パダウン族』のみんなにとても親しまれていた。他に欧米人や南米人の観光客団体を引き連れて来ていたガイドも数人見かけたが、おじさんは他のガイドとは明らかに違っていた。『パダウン族』に心底打ち解けられてるガイドは、おじさんだけだった。実際、おじさんは『パダウン族』の人々の名前を知っていたり、親しそうに『パタウン族』と世間話をしていたり、子供と仲良く戯れて遊んでいたりする。おじさんは観光案内抜きで良くこの村に訪れるとも言っていた。「おじさんって、ほんと『パダウン族』と仲いいよね。」と聞いてみたら、おじさんは「彼らは私の友達だからね」と言った。少なくともおじさんだけは、彼らの事を観光の見世物として捉えていない。

タイ旅行記-改訂版-_b0047028_22341050.jpg『パダウン族』は『カレン族』の一支族であり、民族の中でも最低位に属する種族である。また、『パダウン族』はミャンマーのカヤ州などに多く居住しており、ここメーホンソンに居住している『パダウン族』はミャンマーからの難民で、観光用にタイに連れてこられたと言われている。『パダウン族』の女性は、幼少の頃から真鍮の輪を首につけ、年齢とともにその数を増やしていく。首が長ければ長いほど美人であるらしい。男は首輪を付けないのだが、どういうわけか村では男の姿がまったくと言っていいほど見かけない。出稼ぎにでも行っているのだろうか。


『パダウン族』と会って僕が一番驚いた事は、パダウン族は数ヵ国の外国語を話す事ができるということ。簡単な会話なら英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語、そして日本語までしゃべる事ができる。きっと観光で来た外国人から覚えたのだろう。まさか、彼らに「オニーサンカッコイイネ、コレドウ?」と民芸品を売りつけられるとは思っても見なかった(笑)。彼らは、僕ら観光者が一緒に写真を撮ってもらうと、必ずといっていいほど代わりに物を売りつけてくる。とっても商売上手な民族だ。彼らは、自分たちが観光の見世物になっているという事を十分理解した上で商売しているのだろうが、この割り方には頭が下がる。非常に逞しい。

タイ旅行記-改訂版-_b0047028_22263715.jpg自分も写真を撮った当事者でありながら、こんな事を言うのはまったく身勝手であるけれど、見世物として写真をバシャバシャ撮られている彼らを見ていて、かわいそうで仕方なかった。けれど、次第に彼らと接している内に、彼らは僕の考えてるよりももっとしたたかで頭のいい民族ではないだろうかと思えてきた。


日本では、彼らのことは『首長族』として知られている。しかしながら、彼らは『首長族』と呼ばれる事に対して、あまり好ましく思っていないのだとおじさんは語っていた。彼らを目の前にして、不用意に「首長族」などとは言わない方がいいだろう。『首長族』という名称は、勝手に誰かが付けた別称であって、彼らには『パダウン族』というちゃんとした名前があるのだから。


夕方、僕ら3人は宿に戻った。そして翌朝、僕とミーは荷物をまとめて再びバンコクを目指し出発した。
# by hidem819 | 2004-10-23 21:41 | タイ旅行記-改訂版-

タイ旅行記-改訂版-
さよならバンコク、ありがとうタイ

バンコクに着いた僕たちは、『カオサン』へ向かった。懐かしのカオサン、旅の出発点である『カオサン』へ。

 
『カオサン』に着いた僕たちは、取りあえず宿探しをする事にした。今は6月末なので、旅行者は少なく、宿はすぐに見つかった。『カオサンロード』の向かいに位置するわりとこぎれいな感じの宿である。聞くところによると、ここ『カオサンロード』はシーズンに入るとツアー観光客や、修学旅行、個人旅行の学生といった日本人旅行客でごったがえしているという。海外に行ってまで日本のゴミゴミした環境は味わいたくも無いので、時期に恵まれラッキーだったと言うしかない。


夕方、ミーが何回か行った事があるというディスコに行って見る事にした。『カオサン』の入り口にあったその店は、かなり賑わっていた。店内に入ると、ハウスやテクノ、トランスといったクラブミュージックが、胸に振動が伝わってくる程の大音量でやかましく鳴り響く。そして、100人近くは居るであろう多種多様な人々の群れ。酒を煽りながら談笑している者。何かに取り憑かれた様に踊り狂う者、そしてそれをじっと眺めている者。そこには人種も年齢も性別も関係なく、楽しみを享受する姿があった。僕もほろ酔い気分で、下手なダンスを踊ってみたり、見知らぬ外人と酒を酌み交わしてみたりと楽しい時を過ごした。ミーはダンスがうまく、近くで一緒に踊っていたオーストラリアの女性陣と意気投合していた。僕らは、毎日のようにこのクラブへ通い、酒を煽り踊った。


ある日、僕らが泊まっている宿のちっさなロビーに、紙袋に包まれたウイスキーを握り締め、昼間っから酒を煽ってほろ酔い気分の30代半ばぐらいの小汚いイギリス男性がいた。穴の開いたボロボロのジーパンにベロンベロンに伸びきった臭そうなTシャツ、、、。コッ、コイツ明らかにヤバイ、、、。見るからに貧乏そうないでたち。というか、ここまできたらもう浮浪者にしか見えない。彼は、ここに留まっている友達に会いに来たのだと言っていた。最近までタイで英語教師をしていたのだが、労働ビザが無い事がばれたとかで解雇されてしまったらしい。タイは居心地がいいので、知らず知らずの内に金を使い果たしてしまい、現在職も無くぎりぎりの生活しているのだとか。彼は、酒を煽りながら嘆いていた。

「金無いなら、本国から金送ってもらえば?」と僕。

「情けなくて、そんな事はできないよ」とうな垂れる小汚いイギリス人。

「そっか・・・、けど、労働ビザ無しじゃ中々仕事も見つからないでしょ、友人から金借りれば?そんで本国に帰って仕事探した方がいいんじゃないの?」と人の身を案じる思いやり深い僕。

「本国に帰えろうとは思ってないよ、一生この国で暮らしていくつもり。確かに今の生活大変だけども、この国って色々と自由だしね。そこがいいんだよね。この国が好きだし、この国の人も好きなんだよ。自分には、ここの生活が合ってるんだよ」と熱く語る小汚いイギリス人。

正直、見るからに近寄りたくないタイプの男ではあったが、悪いヤツではない。むしろいいヤツだ。彼の口調から心底タイに心酔しているという事だけは十分過ぎるほど伝わってきた。彼は今でもバンコクで暮らしているのだろうか。仕事は見つかったのだろうか。


僕は、帰国日、バンコクに来て最初に泊まった宿に泊まっていた。タイに来て最初に知り合ったケイさんに紹介してもらった宿だ。偶然だが何となく運命めいたものを感じた。今度バンコクへ来た時には、必ずここへ泊まろうと思う。
 

朝飯を近くの屋台で簡単に済ますと、何をするでもなく『カオサンロード』をぶらつく。僕は、ヒロさんにお別れの挨拶をする為に『ビックブルー』に向かった。『コタオ』から戻って来てから、2度程顔を出していたのだが、『コタオ』行きの際、色々とお世話になったので、僕はどうしても彼にお別れの挨拶がしたかった。特に、ヒロさんは僕と同い年だったしので話も合ったし、僕ら4人にとても親しく接してくれた人だったから。

「コタオは楽しかったでしょ?また潜りに来てよ~」とヒロさんに言われ、

「絶対また来ますよ!今度は一緒に潜れるといいっすね!」とコタオでの思い出を振り返りながら僕はそう答えた。

「そうだね~今度一緒に潜りたいね~、ホント早くあっちに行ってダイビングしたいよぉ~バンコクはもう飽きちゃった、ハハハ」とヒロさんはダイビングしたくて仕方ないという雰囲気だった。『コタオ』での出来事や他愛も無い世間話に花を咲かせた後、僕は別れの挨拶をしてヒロさんと分かれた。

その後、まゆみさんの旅行会社でエアポートバスを頼み、時間まで僕とミーは、またカオサンロードぶらついた。エアポートバスを待っている間、とても複雑な気持ちに襲われた。まだタイに居たいと強く思う気持ちと、その反面やっと日本に帰れるんだという安堵感。バスに乗り込む前、僕はミート抱き合って別れを惜しんだ。グッと胸から熱いものが込み上げてきて、涙が出そうになった。正直言って、こんなに悲しかった別れは初めてだ。今までに味わった事が無い感情の渦が僕を包み込んだ。これが旅先で芽生えた恋なのだろうか・・・。いや、恋だ愛だなんて、そんな簡単に言葉じゃ言い表せやしない。この時の気持ちは心の中の特別な場所に大切に閉まっておこう、この気持ちは2人にしか分らないのだから、、、、、

再会を固く誓い合い僕とミーは別れた。



僕のバンコクは終わった。
同時に、僕のタイも終わった。




さよならバンコク、ありがとうタイ。





                         ━完━
# by hidem819 | 2004-10-23 21:40 | タイ旅行記-改訂版-

タイ旅行記-改訂版-
ほんとうのエンディング

僕はマイクロバスに乗り込んだ。1ヶ月に及ぶタイでの生活が走馬灯のように頭を駆け巡る。様々な出来事を思い返す度に、「帰りたくない、、、まだ、ここに居たい、、、」と僕は心の中で叫んでいた。別れとは寂しいものだ。この1ヶ月間どれ程の人と出会い、どれ程の別れがあったか、数え切れやしない。旅は出会いと別れの連続だ。旅する以上、旅人である以上、その全てを受け止めなくてはならないのだ。

果たして僕は、この旅を通して自分自身を見つめ直すことができたのだろうか、自分自身成長する事ができたのだろうか。正直、今の段階ではよく分からない。しかし、旅する前の自分と今の自分では、何かが違っているように思う。この1ヶ月の旅で、僕は出会い別れを繰り返し、人との繋がりの大切さというものを肌身で感じ取った。僕は思う、そのことだけでも少なくともこの1ヶ月の旅は僕にとって無駄ではなかったのだと。


そんな感傷に浸っていた僕は、ふと我に返った。周りでは思い思いに旅の思い出を話し合っている若者達の声。「○○は、楽しかったよぉ~」「どの辺を見て回ったんですか?」「△△ってすっごく綺麗だったねぇ~♪」「いつタイに来られたんですか?」「□□は食べました?あれは美味しかったなぁ~」「また来たいね~♪今度は絶対○○行こうね」

バスが発車して15分位経っ頃、隣の2人組みの女の子がパスポートの確認をしているが目に入った。僕も一応確認しようと思い、旅の始めの頃に買った腹巻と呼ばれている盗難防止用の薄っぺらいウエストポーチの中に手を入れようとした。

「え?」

「いや、ちょっと待ってよ、、、」

「ん?」

「え???」心臓がバクバクし始めてきた。

「・・・・・」

「ない・・・」

「腹巻がない・・・・」

何度も何度も探して見るが、無い。色んな場所を探してみるが、無い。「どうする・・・どうする・・・どうする・・・・どうしよう・・・・どうしよう・・・・」パニックになってきていた。パスポート、航空チケット、TCなどの貴重品は全て腹巻に入れてある。現金だけは、チェーン付の財布の中だ。何で宿を出る時、持ち物チェックしなかったんだろ~、、、、うぁあああ、ホント最悪だ~。


取り合えず早く言わなきゃ。宿に引き返して下さいって言わなきゃ。

けど、宿になかったらどうする?

最悪じゃん・・・終わりじゃん・・・・。

どうでもいいけど、「パスポート忘れたんで、引き返して下さい」なんて恥ずかしくて言えねぇーよ・・・。

「盗まれた」とか「落とした」の方がよっぽどましだよな、探し出すの大変だろーけど、そっちの方がかっこがつくし・・・。

いっその事落とした事にしちゃおうかな、実際に落としたって可能性もあることだし・・・。

でも、落としたにしろ何にしろ、まず最初は宿を調べる事になる訳だよな・・・。


僕がパニクに陥ってる間にも、エアポートバスは夕闇の中、空港へ向け快調に飛ばして行く。

とにかく、手遅れになる前に言わなきゃ・・・

「あ、あのぉ~、、、宿にパスポート忘れてしまったみたいなんですが、、、」

「ハ?ウン?」ドライバーはタイ人、日本語が良く分ってない。聞き流されてしまっていた。日本語が分からないこのドライバーに言ってもしょうがないか・・・。仕方ない、周りに聞こえるように言うしかない・・・・。

「あのぉ~パスポートを宿に忘れてしまったんですがぁ~」羞恥心をかき捨て言った。

「え?パスポート忘れたんですか??ほんとですか?」と隣の女の子が驚いた顔で聞き返してきた。

「それなら、早くバス止めなきゃ!」と隣の女の子。

その女の子がタイ語で、僕の失態をドライバーに説明してくれた。

すると周りから、

「え?何々どうしたの?」「バスポート、宿に忘れたんだって」「マジかよ~(笑)」「え?何?パスポートがどうしたの?」「うそ~(笑)」「俺はちゃんとパスポート持ってきたよな~」「私、ちょっと調べてみよう」「時間大丈夫なのかな~」「宿に戻るってこと?」「宿出るとき持ち物の確認とかしなかったのかね」「宿何処だって?」「あ~あそこか」「え?何処何処?」・・・・

という声が聞こえてきた。今までざわついていた車内も、僕の話題で持ちきりになった。もちろん、乗客全員の視線が僕に集中。みんな僕に聞こえないようにヒソヒソ声でしゃべっているつもりだろうが、ほとんど聞こえていた・・・。

は、恥ずかし過ぎる、、、


バスは大急ぎで宿に引き返し、無事バスポートが見つけることができた。そして、何とかチェックインの時間までに空港にたどり着くことが出来た。帰りのバスの中、僕に向けられる周りの視線は氷の様に冷たかったのは言うまでも無い。







                         お・わ・り
# by hidem819 | 2004-10-23 21:38 | タイ旅行記-改訂版-

プロフィール
◆名前◆
hidem(ヒデム)

◆年齢◆
S50’8’19 生まれらしい

◆性別◆
生物学上 ♂

◆出身地◆
江戸の片隅

◆血液型◆
最新型

◆身長・体重◆
165cm、62㎏ぐらい

◆職業◆
駅員さん

◆趣味◆
音楽鑑賞、映画鑑賞、スポーツ観戦、ギター、海外旅行(東南アジア)、料理、
チャット

◆性格◆
恥ずかしがり屋、小心者、協調性に優れている、おしとやか、人に優しく自分に甘い

◆好きな食べ物&飲み物◆
カツ丼、らーめん、ビール、納豆、チャーハン、果物全般、
C1000、タバコ(昔の人はタバコを飲むという)

◆嫌いな食べ物&飲み物◆
らっきょう、ザーサイ、キムチ(キムチ鍋は何故か食える)、甘酒

◆好きな言葉◆
「人生とは暇つぶしのようなものである」

◆夢◆
海外移住(南国)、宝くじで1億円当たること



◆好きな芸能人(男性編)◆
松田優作、草彅剛、哀川翔、浅野忠信、菅原文太、遠藤憲一、田口トモロヲ、木村拓哉、堂本剛、窪塚洋介、織田裕二、岸谷五朗、田原総一郎、ユースケ・サンタマリア、おすぎ・・・・etc.

◆好きな芸能人(女性編)◆
優香、石原さとみ、眞鍋かおり、黒谷友香、深津絵里、夏川結衣、インリン、さとう珠緒、磯山さやか、井川遥、ビビアン・スー、黒木瞳、杉本彩、江口ともみ、仲間由紀恵、小雪、菅野美穂、高島礼子、酒井若菜、森下千里、白石美帆、三浦理恵子、深田恭子、古瀬絵理、渡辺満里奈、西田尚美、戸田菜穂、国中涼子、柴崎コウ、内山理名、安めぐみ、上原多香子、島崎和歌子、加藤夏希、伊東美咲、杉田かおる、叶姉妹、小倉優子、小西美帆・・・・etc.

◆好きなお笑い・コメディアン◆
クリームシチュー、島田紳助、ロンブー淳、アンタッチャブル、さんま、タモリ、劇団ひとり、久本雅美、、松本人志、ヒロシ、高田純次、石橋貴明、岡村隆史、三村マサカズ、ドランクドラゴン

◆嫌いな芸能人&まったく面白くない芸能人◆
米倉涼子、あびる優、梨花、江角マキコ、細木数子、坂下千里子、TOKIO、ウッチャンナンチャン、中山秀行、ロンブー亮、よゐこ、ホンジャマカ、清水圭、デビ夫人、三瓶、こぶ瓶、いっ平、川島なお美、石田純一

◆好きなスポーツ選手(男性編)◆
ジダン、アンリ、ロナウジーニョ、ベッカム、ジェラード、ルーニー、ネドベド、ダーヴィッツ、ファン・ニステルローイ、クライファート、中田英寿、小野伸二、大久保嘉人、稲本潤一、三浦和良、清原和博、松井秀喜、イチロー、長島茂雄、古田敦也、上原浩治、SHINJO、星野仙一、アントニオ猪木、エミリヤーエンコ・ヒョードル、ミルコ・クロコップ、ヴァンダレイ・シウバ、吉田秀彦、山本KID徳郁・・・・etc.

◆好きなスポーツ選手(女性編)◆
安藤美姫、小林由佳(空手)、木村沙織、栗原恵、浅尾美和(ビーチバレー)、伊達公子、山本美憂、山本聖子、マリア・シャラポワ、アンナ・クルニコワ、ヒンギス・・・・・etc.

◆好きな女子アナ◆
大橋未歩、高島彩、中野美奈子、堂真理子、中村仁美、鈴江奈々、斉藤舞子、河野明子

◆好きな外タレ(男性編)◆
ジョニー・デップ、ブラット・ピット、ケビン・スペイシー、ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ハートネット、ヒュー・グラント、キーファー・サザーランド、ジャック・ニコルソン、マーロン・ブランド、モーガン・フリーマン、メル・ギブソン、ガイ・ピアーズ、レオナルド・ディカプリオ、マーク・ウォルバーグ、クリスチャン・スレーター、ケビン・ベーコン、ウィレム・デフォー、トム・クルーズ、アル・パチーノ、エドワード・ノートン、トム・ハンクス、リバー・フェニックス、ロビン・ウィリアムズ、スティーブ・ブジェミ、トニー・レオン、ハーレイ・ジョエル・オスメント、マイケル・ルーカー、ジャッキー・チェン・・・・etc.

◆好きな外タレ(女性編)◆
ジェニファー・ロペス、キャメロン・ディアス、アンジェリーナ・ジョリー、レニー・ゼルウィガー、アシュレイ・ジャド、チョン・ジヒョン、エマニュエル・ベアール、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、ジェニファー・アニストン、ジュリア・ロバーツ、エリシャ・カスバート、キム・ベイシンガー、サラ・ウィンター、ケイト・ベッキンセイル、ジーナ・ガーション、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、キーラ・ナイトレイ、ヒラリー・スワンク、サンドラ・ブロック、ナタリー・ポートマン、キャリスタ・フロックハート、メグ・ライアン、ジェニファー・コネリー、シャロン・ストーン、パトリシア・アークウェット、ペネロペ・クルス・・・・etc.

◆好きなアーティスト(国内編)◆
ミスターチルドレン、槙原敬之、尾崎豊、中島美嘉、パンプ・オブ・チキン、森山直太朗、綾戸智絵、ソニン、石川梨華、安倍なつみ、安室奈美恵、平原綾香、Cocco、浜田省吾、ナンバーガール、中村一義、河口英吾、長渕剛、さだまさし、河口恭吾、平川地一丁目、ブランキー・ジェット・シティー、ブルー・ハーツ、スーパーカー、平井堅、ELT、矢井田瞳、中島みゆき、大塚愛、チューブ、岡村孝子、ミッシェルガンエレファント、スピッツ、松田聖子、サザン・オールスターズ、松山千春、ゆず、エレファントカシマシ、宇多田ヒカル・・・・etc.

◆好きなアーティスト(海外編)◆
ストーン・ローゼズ、デビット・ボウイ、ニルバーナ、デフトーンズ、コールドプレイ、ビートルズ、カーペンターズ、ローリング・ストーンズ、U2、クィーン、ロビー・ウィリアムス、スマッシング・パンプキンズ、スキッド・ロウ、レット・ホット・チリペッパーズ、ドアーズ、エアロスミス、メタリカ、レディオヘット、コーリング、リンキンパーク、ロビー・ウィリアムス、セックス・ピストルズ、オアシス、エルトン・ジョン、ブルース・スプリングスティーン、ガンズ・アンド・ローゼス、マニック・ストリート・プリチャーズ・・・etc.

◆大嫌いなアーティスト◆
お塩先生(押尾学)、ケミストリー、TOKIO、河村隆一、SOPHIA、浜崎あゆみ、ウインズ、V6、嵐


以上、長くてゴメン。
# by hidem819 | 2004-10-19 11:21 | プロフィール


東南アジア旅行日記

by hidem819
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